あのころの未来【かすべ(エイ)のムニエル ケイパーソース】
あのころの未来に
ぼくらは立っているのかな…
…こう問いかけている時は、きっと違うのだろう…
15年ほど前、いろんなことがあって、思い切って子どもの頃から憧れていた学校に入った。
小さい頃から身体が弱かったり、大人の事情があったりして、一度も本心から進路を選んだことがなかった私が、唯一、心の底から行きたかった学校。
尊敬する先生、楽しい仲間に出会い、夢の様な1年が過ぎたけど、いま、私はその道にいない。
一生とは良く言ったもので、人生は一度きり。
進めなかった沢山の道を横目に。
ノートを見ていると、あのころの夢が見えてくる。
夢の中の自分は、遠い国の、小さな白い厨房で、一生懸命働いている。
窓の外は緑。
忙しいが、時間はゆっくりと過ぎる。
今はと言えば…
関東には北海道の人が多いせいか、仕事帰りのスーパーでよく生のエイを見かける。
エイのムニエルはフランスの庶民の味。
だから、ちょっとセンチになりそうで笑、今まで買ったことがなかった。
でも、今日は買ってみる。
授業の時と違って、皮はもう剥かれているけど、ノートを見ながら、略式のクールブイヨンで煮て、バターで焼いてみた。 叱られるかもだけど、隠し味にちょっとお醤油を笑。
随分不細工だけど笑、あのころの夢の味。
夢の中では、一人前の私が、軽々と鍋を振っている。
※学校のノートには分量や説明があまり載っていないので、今回は家庭で作りやすい分量ややり方にしています。
ーかすべ(エイ)のムニエル ケイパーソースー
- かすべの切り身 人数分
- クールブイヨン(魚用の茹で汁のこと:水にローリエ、白コショウ、香味野菜の切れ端などを加えたもの。今回は水に、塩、冷凍してあるブーケガルニ、白ワイン、付け合わせのニンジンの切れ端を加えました)
- 塩こしょう
- 小麦粉(あれば中力粉か強力粉)
- バター
- サラダ油
<ソース(作りやすい量)>
- バター 40グラム
- ケイパー 大さじ1
- レモン汁 小さじ1
- パセリのみじん切り 一つかみ
- (しょう油 小さじ2)
- かすべは、塩をかなり効かせたクールブイヨンで20分ほど煮て、冷ましておく(冷めたら冷蔵庫で保存)。
- サラダ油とバターをフライパンに入れ、バターが泡立ち、香ばしく焦げだしたら、塩こしょうし、小麦粉をはたいたかすべを入れてソテーする。
- 別鍋にソース用のバターを溶かし、きつね色に焦げて良い香りがしてきたら、ケイパー、レモン汁を加え、最後にしょう油、パセリのみじん切りを加える。
- 皿にかすべを盛り付け、ソースをかけて出す。