巡る季節【自家製梅酢、梅干し】
解禁。
…と言ってもボジョレーではありません笑。
このブログを始めた頃に漬けた梅干し。
それよりチョット早く、漬けた梅酢。
夏の香りがようやく。
口切りの茶事と同じ。
梅干しは祖母のレシピ。(別ブログです)
http://ichegrandma.hatenadiary.jp/entry/2016/11/22/154252
梅酢は沢村貞子さんのレシピ。
(下に作り方をあげます)
実は梅干しは今年が初挑戦。
情けないことに、亡くなった祖母の漬けてくれた梅が残り少なくなって笑。
やってみたら、二度と会えないと思っていた祖母に会えました。
ー自家製梅酢(沢村貞子『私の献立日記』よりー
- 青梅 1.5キロ
- 蜂蜜 1キロ(下注)
- 酢 900ミリリットル(下注)
- 青梅は洗ってヘタを取り、布巾で綺麗に拭いて水気を取り去る。
- 煮沸消毒した瓶に梅、蜂蜜、酢を入れて密閉する。
- 時々優しく瓶を揺すり、3ヶ月以上寝かせる。
※梅の香りを活かしたい場合は、あまり濃い味や香りの酢や蜂蜜は避けた方が良い。千鳥酢とアカシア蜜で漬けた今年は梅の香りが満開に。
※沢村さんオススメのちらし寿司も良いが、和え物やそのまま割って飲んでも良い。
私は牡蠣になりたい【ニューイングランド風牡蠣のチャウダー】
英語でoysterと言えば無口の象徴だそうで…
日本語なら「貝のように口を閉ざす」という所を「牡蠣のように黙っている」と。
たしかに殻の武骨なゴツゴツは、チョット健さんぽい?笑かも。
対してcram(アサリなど比較的小型の二枚貝)は日本で言えば「すし詰め」みたいな混雑の象徴。
でも牡蠣はテンションが上がりマス笑。
生牡蠣、カキフライ、土手鍋、焼き牡蠣に蒸し牡蠣…以前冷麺を紹介したこともhttp://iche.hatenablog.com/entry/2016/07/28/083000
けど今日はこれ。
ピクルスの所で紹介した本間千枝子先生、長世先生の、『大草原の小さな家』の料理の本には「牡蠣のスープ」として登場。
ニューイングランド風、とは、ミルクを使う我々にお馴染みのチャウダーのこと。トマト味の赤いのをニューヨーク風というのに対して、こう呼ばれています。
本間先生のレシピはシェリー酒を使い、具は牡蠣以外入れない、洗練されたものだけど、今日のは私流の庶民派レシピ笑。
コツは、最初に牡蠣を蒸して、しっかり貝の味を凝縮させること。(アサリでも同じ)
牛乳は最後に加えて分離を防ぎます。
19世紀のアメリカでは、牡蠣のスープは日曜日の夜、父親が作る風習があったのだそう。
無口なお父さんが作る、熱々の牡蠣のスープ。
もしかしたらどんな言葉より、雄弁だったのかも。
- 牡蠣 大4〜5個、小なら7〜8個
- 白ワイン(日本酒でもよい) 50cc
- 塩こしょう 少々
- ベーコン 30グラムくらい
- 玉ねぎ 4分の1個
- ジャガイモ 小1個
- バター 大さじ1
- 小麦粉 大さじ1
- 無添加ブイヨン 150cc
- ローリエ 1枚
- 牛乳 150cc(もっとコクを出したい場合はうち50ccを生クリームに代えても)
- 塩こしょう 適宜
- パセリ 適宜
- 牡蠣は汚れがあればサッと取り、小鍋に牡蠣、白ワイン、塩こしょうを入れ、蓋をして軽く蒸す。
- パセリは刻んでおく。
- 玉ねぎ、ジャガイモは1〜1.5センチ角くらいのさいの目にし、ベーコンは5ミリ太さ位に刻んでおく。(ジャガイモは水にさらしておく)
- 別鍋にバターを溶かし、玉ねぎ、ベーコンを炒め、しんなりしてきたら 塩こしょうし、小麦粉を振り入れて焦げないようによく炒める。
- 小麦粉に火が通ったら、牡蠣の蒸し汁を加えて、鍋底についている小麦粉をこそげるように混ぜ、しっかりトロミを出す。
- ブイヨンを加え、ジャガイモ、牡蠣、ローリエを入れて煮る。(ジャガイモは煮過ぎないこと。焦げやすいので混ぜながら)
- ジャガイモが好みの固さになったら牛乳を加えて温め、塩こしょうで味を調え、パセリを振って出す。
※牡蠣の蒸し汁とブイヨンで最初にしっかり材料を煮ないと分離しやすいので注意。ワインはお好みで日本酒でも。
白ワインでも、実はホットウィスキーでも。
秘め事【春菊の茎と鮭の混ぜ寿司】
(今日のBGMは古畑任三郎のテーマです)
お客様にはヒミツです…
たっくさんの春菊をサッと煮て食べる、素晴らしく美味しい鍋があるんです…
でも、サッと食べるので春菊はキレイに葉むしりして(茎から外して)、砂を丹念に洗い流す必要があります。
…面倒です。
…でも、でも、食べてくれるみんなのためなので、ワタシガンバリマス!!!
…スミマセン。
最後に一つだけ、ウソをつきました。
(鍋は本当)
…葉をむしるのは、みんなのためなんかじゃありません。
ワタシが、翌日、これを食べたいからです!!
春菊の茎と鮭の混ぜ寿司。
ポリポリして香り豊かな春菊の茎と、ちょっとしょっぱい鮭の香ばしい風味。
実は、チャーハンにしてもイケます。
ただ、こちらは茎の繊細な香りが飛びがちなので、モノによっては生のまま最後にサッと混ぜるように炒めて。
でも、葉に比べて茎は少量。
…ワタシがこれをたらふく食べるには、誰かに葉を消費させねばなりません。
そう、誰かに…
…あ、バレましたね。
あなたたちです笑。
美味しいものは食卓じゃない、厨房に転がってるんだ!ケケケ笑
…icheデシタ(古畑風に)
ー春菊の茎と鮭の混ぜ寿司(2人分)ー
- 春菊の茎 1束分
- 塩鮭 1切れ
- 寿司酢(下参照) 適宜
- ご飯 お茶碗2杯分くらい
- 卵 1個
- 塩 少々
- 砂糖 1つまみ
- いりゴマ 適宜
- 塩鮭は焼いてほぐし、春菊の茎はサッと湯がいて小口切りにする。
- 卵に塩、砂糖を加え、ほんのり甘い錦糸卵を作る。
- ご飯に寿司酢を混ぜ、酢飯を作り、冷めすぎないうちに鮭、春菊の茎、いりゴマをまぜる。(この時飾り用に少し具を取り分けておくと良い)
- 錦糸卵などを盛り付けてだす。
※実は家では散らし寿司などの寿司酢は、沢村貞子さんのレシピの梅酢を使っています。これだとあらかじめ酢に甘みが付いているので便利。特に散らし寿司や干物の混ぜ寿司など、具がしょっぱいものに向いています。梅酢の作り方はまた別の機会に。
※応用編のチャーハン。茎を入れれば入れるほど美味しい…笑。
きらきらひかる【本みりんの琥珀糖】
海に行くと、やっぱりガラスを拾ってしまう。
…小さな、いびつな、海が造った磨りガラス。
昔「何か」だったもの。
そんな海辺のガラスによく似たお菓子。
琥珀糖。
意外にカンタンにできます。
でも、時間はかかる。
それも数日単位で。
作って固めて。
切ったら4、5日から1週間…
時間が表面を結晶化してくれるまで…
時間が作る。
そんな所も海のガラスとにています。
香りづけは本みりん。
法律が改正される前、みりんはお酒でした。
その香り高さや華やかな甘味をリキュールの様に楽しむ人も。
今日は熱いシロップに混ぜ込むので、アルコール苦手さんでも大丈夫。
杏を加えて。
どこか懐かしい味になりました。
ー本みりんの琥珀糖ー
- グラニュー糖 200グラム
- 水 100グラム
- 粉寒天 2グラム
- 本みりん 大さじ1杯半
- 杏 1個
- 杏はごく細かく刻んでおく。
- 砂糖、水、寒天を火に掛け、糸を引くまで煮詰める。
- バットかタッパーなどに本みりんを入れ、杏を散らす。
- 3に2を流し込み、冷やし固める。
- 固まったら好きな形に切り、クッキングペーパーの上などで表面の砂糖が結晶化するまで乾かす。(最初はツルツルの表面がシャリシャリした磨りガラス状になる)
※今回の本みりんは信州産もち米100%の養命酒家醸本みりん。柔らかく懐かしい香りになりました。
きっとうまくいく【さばそぼろ】
サヴァ?(どう?)
サヴァビアーン。(うまく行ってるよ)
…ということで鯖です。
はい、そうです。
オヤジギャグです。
…が何か?笑
さばそぼろは作っている人も多いと思うけれど、冷蔵庫掃除にはぴったり。
あと、サバの身をスプーンで掻きとる、みたいなちょっとしたダイナミック感。
サバ、安いですしね笑。
それもなんですが、さばそぼろは応用が多彩(無限?笑)に出来るところがありがたい。
サバからかなり濃いうまみが出ているので、水を加えるだけであんやだしの土台になるし、もちろんそのままサラダにトッピングしても。
麻婆豆腐風にカレーあんかけ焼きそば、サバサンド。
味付けもシンプルなので、わかばマークさんでも。
きっと、うまくいく。
ーさばそぼろ(サバ片身分)ー
- サバ 肩身
- しょうが 1かけ
- 干しシイタケ 1枚
- シイタケの戻し水 100cc
- にんじん 4分の1本
- ごぼう 2分の1本
- ごま油 大さじ1
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 薄口しょうゆ 大さじ2杯半
- 干しシイタケは分量の水で戻し、小さめの賽の目にしておく。
- しょうがはみじん切り、ごぼうは小口切り、にんじんは1センチ角くらいの賽の目切りにする。
- サバは小骨を取り、皮と中骨からスプーンで身を掻きとるようにこそげ、まな板の上で軽くたたく。(鍋でほぐれるので面倒なら叩かなくても良い)
- 鍋にごま油、しょうがを入れて火にかけ、香りが立ってきたら、ごぼう、にんじんをいれて炒める。
- サバを加えて炒め、少し色が変わったら、酒、みりん、刻んだシイタケと戻し汁を加え、しょうゆを入れてほぐしながら煮る。
- 水分が飛んだら出来上がり。
※水(出し)、柚子胡椒、刻みネギなどを足して(薄味ならお醤油などもちょい足しで笑)、角切り豆腐を煮込み、とろみをつけて大人麻婆豆腐風。山椒を振っても美味しいです。
※やはりちょっとの水(出し)とカレー粉を足して、片栗粉でとろみをつければカレーあんかけ焼きそばに。水菜、ピーマンなどシャキシャキ野菜をプラスして。カレー粉は最初に鍋にいれて、少しから煎りしてから他の材料をいれるとより香り高い仕上がりに!
※サバサンド。マヨネーズ、玉ねぎの薄切り、レタスと。
ふるさと訛り【四方竹とニシンの煮物】
ふるさとのなまりが聞きたくて、昔の人は駅に行ったけど、今ならどうするだろう。
LINEでリアルタイムで話せるから大丈夫?
…いやいや、今ならデパートじゃないか。
と言っても食の方言。
今日見つけたのは四方竹(しほうちく)。
なんでも高知で採れる秋の筍とのこと。
ただ、見たなり思い出したのは子どもの頃、春先に散々皮を剝かされた淡竹。
で、今日は高知の人に加賀弁を話してもらって笑。味噌で懐かしいニシンとサッと煮。
ここはお江戸笑。
たまにはこんなハイブリッドも良いのでは?
…と思った矢先、商店街のチェーンの持ち帰り丼屋さんで、1日限定、その店舗限定の、とっても「攻めてる」ご当地丼発見。
正直たまげました…笑。
(詳細はレシピの後で…)
ー四方竹とニシンの煮物(3〜4人分)ー
- 身欠きにしん(戻したもの) 1尾
- 四方竹 7〜8本
- 水 浅なべでにしんがかぶるくらい
- 昆布 5センチ角
- 酒 大さじ2
- 味噌 大さじ2
- 磨きにしんは一口大、四方竹は斜め切りにする。
- 鍋に水、昆布を入れ、磨きにしんを入れて火にかける。
- 少し煮えてきたら酒を加え、アクをすくいながら2〜3分煮る。
- 味噌の半量を入れてさらにしばらく煮、四方竹を加え、残りの味噌で味を整えてサッと煮て出す。
※味を沁みさせるというより、にしんと筍の個性が楽しめるよう、サッと煮ます。
※ご近所の丼○(アレ?伏せ字にしても一緒笑)さん、前を通りかかると「○○店 本日限定三種鰊づくし丼 味噌マヨ付き」の手書き文字が。
中身は炙り身欠き鰊、鰊寿司、鰊の麹漬けの三種。
好奇心を押さえられず思わず購入。
身欠きにしん(なんと片身全部!豪快!)を炙っただけで、こんなに野趣ある美味しさなんて。でもチェーンというにはあまりにも漁師飯笑?うちの田舎にも大根とニシンを麹に漬けたものがあるけれど、きっとこれはもっと北の味。
アルバイトらしきお兄さんに「普通は味噌マヨですか?」と聞くと、「その土地の人は味噌だけだと(この丼を企画して作った人は)言ってました」とのこと笑。
ハイブリッドなんてヌルイこと言わずに郷土愛全開。
またそれを出すお店の懐の深さ笑。
お見それしました!
鉢巻マキマキ【プルーンの簡単三角パイ】
今でも体育祭とかでするんだろうか…
ハチマキ。
紅白だったり。
チームカラーだったり。
体育祭とかだと、飾りをつけるつけないで先生とバトッたり笑。
でハチマキしてた人、だいたいみんなやりませんでした?
なんて言うんだろ、あれ。
あの巻き巻き。
三角形だったり、五角形だったり、角をうまく折って、そのまま巻き巻き進んでいって、小さく折り畳んで。(ちなみに私は五角形派)
今だとスーパーのレジ袋でやるヤツ笑。
今日はそんなカタチの、ナッツがいっぱいの香り高いオヤツ。
最近のドライプルーンはふっくら柔らか。
そんなプルーンを主役に、ココナッツとオレンジの香り豊かなクレームダマンドで包んで…なんて言うと難しそうだけど笑、皮はグッと簡単に、春巻きの皮を使います。
材料混ぜて、クルクルっと巻いて、チーン笑。
実は使うクレームダマンドも少なめ(生地に塗る分を入れても使うバターはトータル30〜40グラムくらい)なので、普通のパイに比べてあっさりヘルシー笑。
※クレームダマンドは冷凍しておけるので、作りやすい分量で作って保存しておくと便利。冷凍パイシートや季節の果物で、マフィン型などで好きな時にいつでも美味しいタルトが楽しめます。
ープルーンの簡単三角パイ(20個分)ー
- 春巻きの皮 5枚
- プルーン 10個
- 細切りココナッツ 30グラム
- 刻んだオレンジピール 大さじ1杯半
- ラム酒 大さじ1
- (お好みでシナモンパウダー1振り)
- クレームダマンド 80グラム
- 溶かしバター 大さじ2
- (お好みで飾り用粉糖、ジャムなど適宜)
<クリームダマンド(約200グラム分)>
- バター 50グラム
- 粉糖 50グラム
- 卵 1個
- アーモンドプードル 50グラム
- クレームダマンド(約200グラム分)を作る。バター50グラムをクリーム状にし、粉糖50グラムを擦り混ぜ、ときほぐした卵を少しずつ加えて混ぜる。よく混ざったらアーモンドプードルを加えて混ぜる(前の晩作って寝かせてもよい)。
- クレームダマンド80グラムに、ココナッツ、オレンジピール、ラム酒、好みでシナモンを加えてまぜる。
- プルーンは半分に切っておく。
- 春巻きの皮に溶かしバターを塗り、縦4枚に細長く切る。
- 左端に2をスプーン1杯分ほどのせ、プルーンを置いて、三角形に巻いていく。(最初左辺が上の辺に重なるように三角形を作り、そのまま巻いていく)
- 天板に並べて表面に残りのバターを塗り、200度のオーブンで15分ほど、こんがり焼け色がつくまで焼く。
※今日の付け合わせはプルーンの紅茶漬け。 アッサリしたパイなので、写真の様に粉糖をかけたり、ジャムなどにつけてたべても。
※今日のプルーンは大粒でふっくらしたカリフォルニアプルーン(左のもの)。しっとり柔らかでジューシーなので、そのままパイのフィリングにピッタリでした。(「毎日食べてプルーン美人♪簡単&ヘルシーなプルーンレシピ」レシピモニターに参加しています)