夢のまた夢【生麩の素揚げ】
大学生の頃、先斗町に小さなお店ができた。
トントンと2階に上がると、白木のカウンターと、何席かの掘りごたつ。
多分脱サラなのか、あんまり商売人っぽくない、生真面目そう〜なマスター。
白木のカウンターはいつもピカピカ。
店内は明るいけど、無口な店主のおかげか笑落ち着いていて。
美味しい日本酒と、シンプルでリーズナブルな肴。
…きっとマスターの夢のお店。
数年前に帰った時、驚くべきことに建物は変わってなかったけれど、店は居抜きで観光客向けの京料理店に変わり、マスターはいなかった。
たまたまその時、今は亡くなった経済評論家が来ていて、その新しい店すら、記憶の中ではもう定かでは無いのだけれど。
いまもこれを作るたび、マスターのお店を思いだす。
このなんでもない味。
夢の店の味。
ー生麩の素揚げー
- 粟麩、蓬麩など好きな生麩 4分の1本(東京で売っているサイズなら2分の1本)
- サラダオイル 適量
- 塩もしくは抹茶塩
- 生麩は角切りにする。
- サラダオイルを170〜180度に熱し、生麩を入れ、表面にこんがり色がついて、ぷっと膨れるまで揚げる。
- 揚げたてを盛り付け、塩を添えて食べる。
※とても焦げやすいので、注意すること。