木の芽時【ホタルイカと木の芽の冷製ジェノベーゼ】
木の芽時。
本当は古来、3月、4月の季節の変わり目に、心身の調子を崩してしまうこと。
最近はそれを乗り越えても5月病、が待ってたりするのだけれど笑。
木の芽時の終わりにようやく顔を出す本当の木の芽。
ただ、本当に若く、柔らかいのはほんの一瞬。
葉をむしって、形の良いものはそのまま、残りはすり鉢で軽くすって冷凍に。
今ならカンタンにペーストになります。
さて、作業しながらサッとお昼ゴハン。
麺を茹でる以外は火をつかいません。
たっぷり入れても、意外に優しい香りとサッパリした味に癒されます。
- スパゲッティ(1.7mm) 160グラム
- 塩 適宜
- 湯 適宜
- ホタルイカ 1パック
- プチトマト 10個くらい
- 木の芽 たっぷりひとつかみ
<ドレッシングソース>
- オリーブオイル 大さじ2
- ワインビネガー 大さじ3〜4
- アンチョビ フィレなら2切れ、ペーストなら小さじ2
- にんにく 2分の1かけ
- 粒マスタード 小さじ1
- 塩こしょう
- にんにく、アンチョビはみじん切りにし、ドレッシングの材料を全てあわせる。
- 木の芽をすり鉢で軽くすり、ペースト状にする。プチトマトは半分に切り、ホタルイカ、木の芽とドレッシングと合わせ、冷やしておく。
- 鍋に湯を沸かし、塩を入れてスパゲッティを表示より1分長めに茹でる。
- 茹で上がったらザルにあげ、てばやく流水で滑りをとる。
- 水気を切り、マリネした具材、ソースと和えてだす。
今年の味【ぬか漬け】
若い頃から何度か漬けて来たけれど。
引越しの多い人生。
なんどもお別れして来ました。
ぬか漬け。
数ある国の漬物の中でも、建物や地球環境に最も影響されやすいのが、日本の漬物のように思います。
沢庵や白菜も、もともと塩やぬかのみ、といった単純な漬け床が多く、元来は通気性が良い、木や土でできた家に住んでいた私たち。
四季もはっきりとしていて。
人間のチカラより、自然のチカラをお借りして来たのですが…。
いつの間にか。
…掃除が面倒くさい。
虫や音、プライバシーがあるので、窓は極力開けたくない。etc.etc...笑
ウチらの欲には限りがなくて笑。
都合の悪い部分を遮断しまくっているうちに、恩恵も受けづらく。ぬか漬けも、なんだかスッカリ難しいものの様になってしまいました…
ぬか漬けに限らず、発酵食品は、うまく漬かっているものほど、多少のことでは傷んだりしません。
考えてみれば当たり前で。
保存食の菌は、当たり前の状態であれば自然界の悪さをする菌より強いから、人類が利用して来たわけで。
経験値による、ぬか漬け漬かり易い家ランキングはこちら笑。
1.古い戸建の日本家屋
2.古い広めの公団アパート
3.古い広めのマンション
4.そこそこ古い笑木造アパート
5.新しい広めのマンション
6.新築のワンルームマンション
これ、植物の育ち易さとも、キレイに比例してました。
しばらく止めてたぬか漬けを、今年復活させたのは、知り合いの料理家の方に教えて頂いた味噌が、ことのほかうまくいっているから。
この家と発酵食品の相性はよさそうだと。
予想どおり、捨て漬けからすぐ、美味しく漬かり出しました。
先日知り合った素敵なマダムは、あえて毎年新しい床を仕込むのだそう。
何十年ものの複雑さも美味しいけれど、フレッシュな糠の香りとさわやかな若い乳酸菌の味も良いものです。
漬かり過ぎたら「かくや」に。
ご近所のバーのマスターは、ポテサラのアクセントにする上級者。
まだまだアレンジもあるのです笑。
〜ぬか床(漬かり易い量)〜
- ぬか 1.5kg
- 水 1.5リットル
- 塩 ぬかの13〜14%
- 昆布 5センチ角
- 唐辛子 1〜2本
- (あれば実山椒の塩漬け大さじ2〜3)
- 捨て漬け用野菜(キャベツ、にんじんなどお好みで。今年はウドの皮も入れました)
- ぬか(あれば新鮮な生ぬか)、塩、水、実山椒をよく混ぜ、漬ける容器に入れる。
- 唐辛子、昆布を差し込む。
- 捨て漬け用の野菜を入れ、毎日混ぜながら2日ほど経ったら取り出して、野菜を代える。(3日ずつ3回、など決める方もいますが、野菜の漬かり具合やぬか漬けらしい香りを基準に臨機応変に。今年は2回目の捨て漬けからもう美味しく漬かり出したので笑、すぐ一軍昇格にしました)
※かつお節やいりこを入れるご家庭もありますが、うちはあまり動物性のものを入れないレシピです。
タケノコ生活【わが家風たけのこ御膳】
「タケノコ生活」
この言葉がわかる人って、今どれくらいいるんだろう…
わたしたちの世代でも、歴史の話。
戦後の食糧難。
都市部に住む人たちが、わずかに手元に残った衣類を、まるでタケノコの皮を一枚一枚はぐように、食料と交換し、なんとかしのいだ。
想像を絶する、苦しい暮らし。
そんな時代は二度と来ませんように。
…ただ、いまは豊かな戦後の後の長い不況。
貧しさのカタチは見えなくなって。
激安、爆盛、こだわり、グルメ…
食べ方、働き方、暮らし方。
身の丈、身の程を知ること自体が難しくなった。
…さて、スーパーのタケノコを見ながら、珍しくそんなコトを考えていると。
いつもお世話になっている素敵な女性から、身の程越えの贈り物。
京都のタケノコ。
掘り立て、皮付き。
立派笑。
学生時代はとても手が出ず。
錦の八百屋さんが、鍬傷が入ったものやおチビさんのを上手に茹でで、一斗缶で売られていたお徳用専門笑。
それでも充分美味しかったけど笑。
せっかくの口果報。
貧乏性かもしれませんが笑、下茹でしたら、根元から姫皮まで、幸せを噛み締めながら、大事に大事に頂きましょう。
〜わが家風たけのこ御膳 お品書き〜
たけのこご飯
穂先の二色揚げ
ホタルイカとたけのこの木の芽和え
姫皮の梅肉和え
鶏つくねと姫皮の沢煮風
たけのこの糠漬け
<たけのこご飯>
今回のたけのこは、とても柔らかく、香りも繊細だったので、大ぶりに切って、下味もつけず、他の具も入れずにそのまま炊き込みました。
- 米2合に対し、酒大さじ2、薄口醤油大さじ2.5、塩少々、昆布4センチ角くらいを入れて水加減する。
- 下茹でしたたけのこの根元の方を大きめの短冊に切って入れ、炊く。
※硬かったり、アクが強めのたけのこなら、小さく切って、しょう油と酒小さじ2ずつをあらかじめまぶしておく。(その分ご飯の水加減、味付けは控えめに)油揚げなどを入れてもよい。
<穂先の二色揚げ>
- 下茹でしたたけのこの穂先は8等分にし、半分に粉がつお大さじ1、しょう油小さじ1をまぶしておく。
- 天ぷらの衣をつけて、中温でカラッと揚げる。
<ホタルイカとたけのこの木の芽和え>
- 酢味噌(白味噌、みりん、酢。酢は省いてもよい)大さじ2くらいに木の芽を一つまみ加え、すり鉢でする。
- ボイルしたホタルイカと茹ででスライスしたたけのこを木の芽味噌で和える。たけのこが水っぽいようなら、しょう油洗い(しょう油小さじ1程度をまぶして、余分な水分をふきとる)してから和える。
※今日の木の芽は飛び切り新鮮。ビックリするほど爽やかに!
<姫皮の梅肉和え>
- 梅干しの果肉を潰し、甘くないものなら砂糖一つまみと酒でのばす。(市販の梅肉ペーストならそのまま)
- 姫皮を短冊に切り、梅肉で和える。
※イカを入れたり、居酒屋さんの定番、梅水晶で和えても。
<鶏つくねと姫皮の沢煮風>
- 鍋に水、昆布を入れて火にかけ、沸騰したら、酒、しょう油で味付けし、各家のレシピのつくね(今日は鶏ひき肉(モモ)100グラムに塩こしょう適宜、ゴマ小さじ1、酒、しょう油各小さじ1、パン粉一つまみをよく混ぜたもの)を落とす。
- つくねに火が通ったら繊切りの姫皮、ネギを散らす。
※沢煮は繊切りにした野菜と豚肉などの汁椀。今日はつくねの味を濃いめに引き出したいので、出汁に味付けしてからつくねを入れています。
<たけのこの糠漬け>
茹でたたけのこは薄く輪切りに切って、食べる30〜1時間くらい前に糠床に漬けておく。
糠を洗い、食べよい大きさに切って出す。
※下茹でしてある筍なら、すぐに漬かります。浅漬けくらいが美味しいかも。
心はニシキ【鶏ハムとオレンジのサラダ】
新年度が始まって、少し落ちついて。
お花見もひと段落。
先輩に連れられた新入生や新入社員。
会社の近くのランチも今は混雑。
で、我々先輩も新入社員諸君も…
実は懐がチョット寂しい、4月の給料日前笑。
GWもありますからね。
さて、そんな時のつよーい味方。
鶏胸肉笑。
鶏ハムはもう定番カナ。
成形しなくてもできますが、気持ちだけでも少しオシャレに。
サラダやつけ麺、応用が利くように、塩と黒コショウだけで作っています。
サラダのドレッシングはノンオイル。
クルミのトロミでコクがでます。
家飲みのあまりのナッツで充分。
今日はレタスやセロリ、ハーブなど、有り合わせの野菜を乗っけていますが、オレンジと相性がいいうるいなんかでも春らしく、美味しくできます。
今日は冷蔵庫掃除で出てきたピンクペッパーを散らして、見た目だけでも贅沢に笑。
満員電車でシワになったスーツは、社会人の勲章。
心はニシキ、で行きましょう!
〜鶏ハムとオレンジのサラダ(2〜3人分)〜
<鶏ハム>
- 鶏胸肉 (250グラムくらいのもの)1枚
- 塩 適宜
- 粗挽き黒こしょう タップリ
<サラダ用野菜>
- ネーブルオレンジ 1個
- レタス、玉ねぎなど適宜
<ドレッシング>
- クルミ 大さじ1
- オレンジの汁 大さじ1〜2くらい
- 酢 大さじ1
- 粒マスタード 小さじ1
- にんにく 2分の1かけ
- 塩こしょう
- (あれば)アンチョビペースト 小さじ2分の1
- (お好みで)パセリなど好きなハーブ
<鶏ハム>
- 鶏胸肉は包丁で1センチ厚さくらいに厚みを切り開く。
- 塩と粗挽き黒こしょうをしっかり目にして巻き、ラップで包む(心配な人は二重に)。
- 鍋にタップリの湯を沸かし、沸騰したら火を止めて2を入れ、20分間ほど放置する。
- 湯から引き揚げたら粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしておく。
<サラダ>
- お好みのサラダ用の野菜、ハーブなどを洗っておく。
- オレンジはナイフで皮をむき、実を取り出す(3分の2個分くらい)。切るときに出た果汁と残りを軽く絞ってドレッシング用に大さじ1~2杯取っておく。
- クルミはすり鉢などでかるく潰し(道具何にもないよ〜の新入社員はナイロン袋に入れて瓶底でつぶしても)、オレンジの汁、酢、粒マスタード、すりおろしたにんにく、アンチョビペーストなどをよく混ぜ、塩こしょうで味付けを調える。(アンチョビペースト=刻んだアンチョビでもはあればとっても美味しくなるので入れてみて)
- ちぎった野菜、スライスした鶏ハム、オレンジなどを並べ、ドレッシングをかけていただく。
※醤油ラーメンをアレンジしてつけ麺風に。近所で売ってた茎ブロッコリーと。
バイプレイヤーズ【かくや】
終わっちゃいましたよ。
話題のドラマ。
面白かったですよねぇ…
脇役のおじさまたち。
クセが強すぎたり。
逆にあまりにフツーなのが個性的だったり。
古風な様な、自由な様な。
一人一人メインディッシュだと、渋過ぎるというか、地味なんだけど。
脇にいるとグッと全部がホンモノに。
で、そんな人たちが集まると、なんだかやっぱり面白くて、いくらでもいけちゃう。
胃もたれもせず笑。
なーんか、似たような料理があったよなぁ…と思ってたら、ありました。
「かくや」
…岩下覚弥、とかいうおじさま?笑が江戸時代に考案したとかしないとか。
諸説あり笑。
刻んだ古漬け沢庵、きゅうり、ミョウガや紫蘇などの香味野菜を和えて、生姜醤油で頂く。
沢庵の塩気で即席の浅漬け状態に。
生姜は刻んで入れても良し。
香味野菜もあり合わせで。
塩気が強過ぎればさっと洗いますが、昔風の沢庵の方が向いています。
冷たく冷やして、どんぶり飯でも冷酒でも。
極めて質素。
懐石から一膳飯屋まで。
…香り高さはホンモノ、です。
〜かくや(1〜2人分)〜
- 古漬け沢庵 3センチくらい
- きゅうり 2分の1本
- しょうが 2分の1かけ
- 紫蘇の葉 2枚
- 醤油 適宜
- 沢庵、きゅうりは薄切りにしてから細く刻む。
- しょうがは針生姜にし、紫蘇は沢庵、きゅうりに合わせて繊切りにする。
- 全て合わせてラップかポリ袋に入れ、ギュッとまとめて口を縛っておく。
- しばらく冷蔵庫において(きゅうりがしんなりするまで)、取り出したら水気をギュッと絞る。(沢庵の塩がキツすぎる様であればサッと洗う)
- 好みでしょう油をかけて頂く。
※かなり塩気が強い沢庵であれば、薄切りにした段階で軽く水にさらして塩抜きを。ただし、沢庵の塩気で味が決まるので抜きすぎは禁物。
円熟の味【牛肉の味噌漬け山椒風味】
「山椒は小粒でピリリと辛い、なんぞと申しましてナ。」
…なんて落語のマクラみたいな始まりですが…
酒呑み家庭に生まれたせいか、食べものも自然とお酒に合う好みに。
ただ、お医者さまから、有難〜いご忠告を頂くお年頃になると、若い頃の鯨飲馬食を棚に上げ、ますます一杯が大事になります。
できれば、ムダにしたくない笑。
飲むなら楽しく、美味しいモノを。
週末のスーパーだと牛肉もお得に。
霜降りなら香ばしく。
赤身なら和製パストラミ風に。
山椒を効かせた味噌に漬け込みました。
あしらいはウドと筍。
山椒の辛味は穏やかになり、ほんのり円熟した香りが、日本のビールにとても合います。
円熟と言えば、最後に大好きないとこい師匠(夢路いとし・喜味こいし師匠)の漫才から。
「生きてる間が牛。死んだら戒名が牛肉!」
美味しく成仏させてあげましょう笑。
〜牛肉の味噌漬け山椒風味(4人分)〜
- 牛肉(ステーキ用。部位はお好みで) 250グラム
<漬け床(作りやすい量)>
- 味噌(中辛口) 250グラム
- 酒 50cc
- みりん 50cc
- きび砂糖 大さじ1(味噌が辛すぎればみりん、きび砂糖などで調整する)
- サラダ油 小さじ2
- 粉山椒 小さじ半分くらい
- しょうが 1かけ
<あしらい>
- うど 適宜
- 茹で筍 適宜
- しょうがをすりおろし、合わせ味噌の材料を混ぜ合わせる。
- 味噌をジップロックに入れ、肉は筋があれば筋切りし、ウドは皮をむいて味噌に漬け込む。
- 半日〜1晩漬けたら、味噌をザッと洗い、網で焼く。(筍は味が染みやすいので、隠し包丁を入れたら焼く15分程前に味噌床に漬ける)
※最近は色々なお味噌を売っているので、お好みで試してみて。色々混ぜたり、古くなったお味噌の活用法にもオススメです。
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