滅多矢鱈【めった汁】
夕飯の支度をしながら。
付けっ放しのテレビ。
よくある生産農家さんの紹介番組。
いきなり。
ものすご〜く懐かしい言葉が飛び込んできた。
「めった汁」
何というか、ビミョーな郷土料理笑。
作り方を言うと、大概の人に「あ〜豚汁でしょ?」とか言われるので、あまり大々的に紹介されることもなく。
あまりに当たり前なせいか、私の祖母のレシピノートにもないくらい。
ただ、やっぱり豚汁とはビミョーに違う。
例えば、牛コマで作ることもあるし。
さつまいもや里芋、レンコンなんか入れちゃうのも普通だし…
でも「やっぱり具沢山の豚汁ってことでしょ?」とか強く押されると、なんだか反論できず…(弱気な県民性⁈)
ん〜笑。
…ただ、ツラツラ考えると、「具沢山の豚汁」は百歩譲って成立しても、「具少なめのめった汁」は絶対成立しないというか笑。
大量の具でなくなった段階で、「めった汁」の臨界点から外れるかと。
…で、子供の頃は、「めった汁」ってお肉と、「滅多」切りにした大量の具を「滅多矢鱈」と入れた汁、だと思っていたのだけれど。
テレビの中の農家さんは「めったに食べられないくらい贅沢な汁のことですよ」と。
優しそうなお母さん。
そっかぁ…
感謝の気持ち。
こんな家に育ちたかった〜笑。
ちなみに農家さんが作っておられたのは郷土が誇る五郎島金時(さつまいも)。
確かに、さつまいもにレンコン(小坂蓮根)、夏冬の大根、海だけでなく山の幸にも恵まれて。
「めった汁」
確かに「めったにない」汁かもです。
※絵面はヤッパリ豚汁風笑。子どもの頃は丼で食べていました。ちなみにレシピの具はたまたま今日のパターンで、根菜とこんにゃく、お肉はマストですが、他は特に決まりはありません。
ーめった汁(4人分)ー
- 豚バラ薄切り(牛でも良い) 120グラム
- 大根 4分の1本
- にんじん 2分の1本
- ごぼう 2分の1本
- さつまいも 2分の1本
- こんにゃく 2分の1枚
- 薄揚げ 1枚
- 昆布だし 1.2リットル
- 酒 大さじ2
- 味噌 お玉1.5杯分くらい(お使いのお味噌の塩分に合わせて調整してください)
- 刻みネギ 4分の1本分
- 豚バラ、薄揚げは小さめの一口大に切る。
- 大根、にんじんはいちょう切り、ごぼうはお好みの切り方(薄切り、ささがき、乱切りなど)に切っておく。
- さつまいもは他の野菜の大きさに合わせて切る。
- こんにゃくはスプーンでえぐるように一口大に切る。(余裕があれば笑、塩で揉み、洗い流して熱湯で茹でてアク抜きしておく)
- 昆布だしを沸かし、肉を入れる。
- 酒を加えてくさみを取り、アクをすくって、芋以外の具を全て入れる(芋は煮崩れやすいので少し後で加える)。
- アクを取りながら少し煮、大根がやや透き通ってきたら芋を加える。
- 味噌を溶き入れて材料に全て火が通るまで煮込む。
- 刻みネギを散らして出す。
※普通のお味噌汁は、香りを大事にするため味噌を加えたら煮立てず火を止めますが、豚汁やめった汁など、お肉の入るものは、味噌を加えた後、煮立ててじっくり煮込んだ方が美味しいようです。