うをとおなすと

おさかな買いになす買いに。のほほんな毎日をつづります。

タケノコ生活【わが家風たけのこ御膳】

「タケノコ生活」

 

この言葉がわかる人って、今どれくらいいるんだろう…

 

わたしたちの世代でも、歴史の話。

 

戦後の食糧難。

都市部に住む人たちが、わずかに手元に残った衣類を、まるでタケノコの皮を一枚一枚はぐように、食料と交換し、なんとかしのいだ。

 

想像を絶する、苦しい暮らし。

 

そんな時代は二度と来ませんように。

 

…ただ、いまは豊かな戦後の後の長い不況。

貧しさのカタチは見えなくなって。

 

激安、爆盛、こだわり、グルメ…

食べ方、働き方、暮らし方。

身の丈、身の程を知ること自体が難しくなった。

 

…さて、スーパーのタケノコを見ながら、珍しくそんなコトを考えていると。

 

いつもお世話になっている素敵な女性から、身の程越えの贈り物。

 

京都のタケノコ。

掘り立て、皮付き。

立派笑。

 

学生時代はとても手が出ず。

 

錦の八百屋さんが、鍬傷が入ったものやおチビさんのを上手に茹でで、一斗缶で売られていたお徳用専門笑。

それでも充分美味しかったけど笑。

 

せっかくの口果報。

貧乏性かもしれませんが笑、下茹でしたら、根元から姫皮まで、幸せを噛み締めながら、大事に大事に頂きましょう。

  

 

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〜わが家風たけのこ御膳 お品書き〜

たけのこご飯
穂先の二色揚げ
ホタルイカとたけのこの木の芽和え
姫皮の梅肉和え
鶏つくねと姫皮の沢煮風
たけのこの糠漬け

 

<たけのこご飯>

今回のたけのこは、とても柔らかく、香りも繊細だったので、大ぶりに切って、下味もつけず、他の具も入れずにそのまま炊き込みました。

  1. 米2合に対し、酒大さじ2、薄口醤油大さじ2.5、塩少々、昆布4センチ角くらいを入れて水加減する。
  2. 下茹でしたたけのこの根元の方を大きめの短冊に切って入れ、炊く。

※硬かったり、アクが強めのたけのこなら、小さく切って、しょう油と酒小さじ2ずつをあらかじめまぶしておく。(その分ご飯の水加減、味付けは控えめに)油揚げなどを入れてもよい。

 

<穂先の二色揚げ>

  1. 下茹でしたたけのこの穂先は8等分にし、半分に粉がつお大さじ1、しょう油小さじ1をまぶしておく。
  2. 天ぷらの衣をつけて、中温でカラッと揚げる。

 

<ホタルイカとたけのこの木の芽和え>

  1. 酢味噌(白味噌、みりん、酢。酢は省いてもよい)大さじ2くらいに木の芽を一つまみ加え、すり鉢でする。
  2. ボイルしたホタルイカと茹ででスライスしたたけのこを木の芽味噌で和える。たけのこが水っぽいようなら、しょう油洗い(しょう油小さじ1程度をまぶして、余分な水分をふきとる)してから和える。

※今日の木の芽は飛び切り新鮮。ビックリするほど爽やかに!

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<姫皮の梅肉和え>

  1. 梅干しの果肉を潰し、甘くないものなら砂糖一つまみと酒でのばす。(市販の梅肉ペーストならそのまま)
  2. 姫皮を短冊に切り、梅肉で和える。

※イカを入れたり、居酒屋さんの定番、梅水晶で和えても。

 

<鶏つくねと姫皮の沢煮風>

  1. 鍋に水、昆布を入れて火にかけ、沸騰したら、酒、しょう油で味付けし、各家のレシピのつくね(今日は鶏ひき肉(モモ)100グラムに塩こしょう適宜、ゴマ小さじ1、酒、しょう油各小さじ1、パン粉一つまみをよく混ぜたもの)を落とす。
  2. つくねに火が通ったら繊切りの姫皮、ネギを散らす。

※沢煮は繊切りにした野菜と豚肉などの汁椀。今日はつくねの味を濃いめに引き出したいので、出汁に味付けしてからつくねを入れています。

 

<たけのこの糠漬け>

茹でたたけのこは薄く輪切りに切って、食べる30〜1時間くらい前に糠床に漬けておく。

糠を洗い、食べよい大きさに切って出す。

※下茹でしてある筍なら、すぐに漬かります。浅漬けくらいが美味しいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心はニシキ【鶏ハムとオレンジのサラダ】

新年度が始まって、少し落ちついて。

お花見もひと段落。

 

先輩に連れられた新入生や新入社員。

会社の近くのランチも今は混雑。

 

で、我々先輩も新入社員諸君も…

実は懐がチョット寂しい、4月の給料日前笑。

GWもありますからね。

 

さて、そんな時のつよーい味方。

鶏胸肉笑。

 

鶏ハムはもう定番カナ。

成形しなくてもできますが、気持ちだけでも少しオシャレに。

 

サラダやつけ麺、応用が利くように、塩と黒コショウだけで作っています。

 

サラダのドレッシングはノンオイル。

クルミのトロミでコクがでます。

家飲みのあまりのナッツで充分。

 

今日はレタスやセロリ、ハーブなど、有り合わせの野菜を乗っけていますが、オレンジと相性がいいうるいなんかでも春らしく、美味しくできます。

 

今日は冷蔵庫掃除で出てきたピンクペッパーを散らして、見た目だけでも贅沢に笑。

 

満員電車でシワになったスーツは、社会人の勲章。

心はニシキ、で行きましょう!

 

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〜鶏ハムとオレンジのサラダ(2〜3人分)〜

<鶏ハム>

  • 鶏胸肉 (250グラムくらいのもの)1枚
  • 塩 適宜
  • 粗挽き黒こしょう タップリ

<サラダ用野菜>

  • ネーブルオレンジ 1個
  • レタス、玉ねぎなど適宜

<ドレッシング>

  • クルミ 大さじ1
  • オレンジの汁 大さじ1〜2くらい
  • 酢 大さじ1
  • マスタード 小さじ1
  • にんにく 2分の1かけ
  • 塩こしょう
  • (あれば)アンチョビペースト 小さじ2分の1
  • (お好みで)パセリなど好きなハーブ

<鶏ハム>

  1. 鶏胸肉は包丁で1センチ厚さくらいに厚みを切り開く。
  2. 塩と粗挽き黒こしょうをしっかり目にして巻き、ラップで包む(心配な人は二重に)。
  3. 鍋にタップリの湯を沸かし、沸騰したら火を止めて2を入れ、20分間ほど放置する。
  4. 湯から引き揚げたら粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしておく。

<サラダ>

  1. お好みのサラダ用の野菜、ハーブなどを洗っておく。
  2. オレンジはナイフで皮をむき、実を取り出す(3分の2個分くらい)。切るときに出た果汁と残りを軽く絞ってドレッシング用に大さじ1~2杯取っておく。
  3. クルミはすり鉢などでかるく潰し(道具何にもないよ〜の新入社員はナイロン袋に入れて瓶底でつぶしても)、オレンジの汁、酢、粒マスタード、すりおろしたにんにく、アンチョビペーストなどをよく混ぜ、塩こしょうで味付けを調える。(アンチョビペースト=刻んだアンチョビでもはあればとっても美味しくなるので入れてみて)
  4. ちぎった野菜、スライスした鶏ハム、オレンジなどを並べ、ドレッシングをかけていただく。

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※醤油ラーメンをアレンジしてつけ麺風に。近所で売ってた茎ブロッコリーと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイプレイヤーズ【かくや】

終わっちゃいましたよ。

話題のドラマ。

 

面白かったですよねぇ…

脇役のおじさまたち。

 

クセが強すぎたり。

逆にあまりにフツーなのが個性的だったり。

古風な様な、自由な様な。

 

一人一人メインディッシュだと、渋過ぎるというか、地味なんだけど。

脇にいるとグッと全部がホンモノに。

 

で、そんな人たちが集まると、なんだかやっぱり面白くて、いくらでもいけちゃう。

 

胃もたれもせず笑。

 

なーんか、似たような料理があったよなぁ…と思ってたら、ありました。

 

「かくや」

 

…岩下覚弥、とかいうおじさま?笑が江戸時代に考案したとかしないとか。

諸説あり笑。

 

刻んだ古漬け沢庵、きゅうり、ミョウガや紫蘇などの香味野菜を和えて、生姜醤油で頂く。

 

沢庵の塩気で即席の浅漬け状態に。

生姜は刻んで入れても良し。

香味野菜もあり合わせで。

 

塩気が強過ぎればさっと洗いますが、昔風の沢庵の方が向いています。

 

冷たく冷やして、どんぶり飯でも冷酒でも。

 

極めて質素。

懐石から一膳飯屋まで。

 

…香り高さはホンモノ、です。

 

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〜かくや(1〜2人分)〜

  • 古漬け沢庵 3センチくらい
  • きゅうり 2分の1本
  • しょうが 2分の1かけ
  • 紫蘇の葉 2枚
  • 醤油 適宜
  1. 沢庵、きゅうりは薄切りにしてから細く刻む。
  2. しょうがは針生姜にし、紫蘇は沢庵、きゅうりに合わせて繊切りにする。
  3. 全て合わせてラップかポリ袋に入れ、ギュッとまとめて口を縛っておく。
  4. しばらく冷蔵庫において(きゅうりがしんなりするまで)、取り出したら水気をギュッと絞る。(沢庵の塩がキツすぎる様であればサッと洗う)
  5. 好みでしょう油をかけて頂く。

※かなり塩気が強い沢庵であれば、薄切りにした段階で軽く水にさらして塩抜きを。ただし、沢庵の塩気で味が決まるので抜きすぎは禁物。

 

円熟の味【牛肉の味噌漬け山椒風味】

「山椒は小粒でピリリと辛い、なんぞと申しましてナ。」

 

…なんて落語のマクラみたいな始まりですが…

 

酒呑み家庭に生まれたせいか、食べものも自然とお酒に合う好みに。

 

ただ、お医者さまから、有難〜いご忠告を頂くお年頃になると、若い頃の鯨飲馬食を棚に上げ、ますます一杯が大事になります。

 

できれば、ムダにしたくない笑。

 

飲むなら楽しく、美味しいモノを。

 

週末のスーパーだと牛肉もお得に。

 

霜降りなら香ばしく。

赤身なら和製パストラミ風に。

山椒を効かせた味噌に漬け込みました。

 

あしらいはウドと筍。

 

山椒の辛味は穏やかになり、ほんのり円熟した香りが、日本のビールにとても合います。

 

円熟と言えば、最後に大好きないとこい師匠(夢路いとし・喜味こいし師匠)の漫才から。

 

「生きてる間が牛。死んだら戒名が牛肉!」

 

美味しく成仏させてあげましょう笑。

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〜牛肉の味噌漬け山椒風味(4人分)〜

  • 牛肉(ステーキ用。部位はお好みで) 250グラム

<漬け床(作りやすい量)>

  • 味噌(中辛口) 250グラム
  • 酒 50cc
  • みりん 50cc
  • きび砂糖 大さじ1(味噌が辛すぎればみりん、きび砂糖などで調整する)
  • サラダ油 小さじ2
  • 粉山椒 小さじ半分くらい
  • しょうが 1かけ

<あしらい>

  • うど 適宜
  • 茹で筍 適宜
  1. しょうがをすりおろし、合わせ味噌の材料を混ぜ合わせる。
  2. 味噌をジップロックに入れ、肉は筋があれば筋切りし、ウドは皮をむいて味噌に漬け込む。
  3. 半日〜1晩漬けたら、味噌をザッと洗い、網で焼く。(筍は味が染みやすいので、隠し包丁を入れたら焼く15分程前に味噌床に漬ける)

※最近は色々なお味噌を売っているので、お好みで試してみて。色々混ぜたり、古くなったお味噌の活用法にもオススメです。

 

 

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窓全開【豚とゴボウのエスニックさつま揚げ】

全開にした窓から、桜の花びら。

 

…そんな季節になりました。

 

こんな日曜の昼下がりは、家飲みも窓を開けて。

 

喉越しの良いビールをクイ〜ッと!!

 

なんて考えてたら、今回新・ザ・プレミアムモルツの天然水醸造を頂いて。

 

テーマはチョット贅沢な肉のご馳走。

 

最初はこれもビールにベストマッチの、ウチのおつまみの定番、ゴボウ入り豚ミンチのレタス巻きにしようかな、と思ったのですが、チョットご馳走感に欠けるかと。

 

でも、豚とゴボウの相性はバツグン!

ちとシャレオツ?にしてみました。

 

お値段はリーズナブルですが、週末ならではの一手間のゼイタク、アリですヨネ笑。

 

でも、揚げ焼きなので、見た目に比べて焼くのはカンタン。ゴボウは少し焦げた位が美味しいので、おっちょこなワタシでも大丈夫。

 

今日は気取ってソースをつけましたが、普通のケチャップで良いのです。

 

ハフハフ、クイ〜ッ、プハ〜ッッ笑!

召し上がれ。

 

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〜豚とゴボウのエスニックさつま揚げ(3〜4人分)〜

  • 豚ひき肉 200グラム
  • 塩 適宜
  • 粗挽き黒こしょう 適宜
  • カレー粉 小さじ1
  • ケチャップ 小さじ1
  • にんにく 1かけ
  • しょう油 小さじ1
  • ゴボウ 2分の1本
  • サラダ油 大さじ2〜3

<簡単カクテルソース>

  • ケチャップ 大さじ2
  • レモン汁 小さじ1

<ヨーグルトソース>

  • プレーンヨーグルト 大さじ2
  • オリーブオイル 小さじ1
  • お好みのハーブ(みじん切り、乾燥でも) 大さじ1
  • 塩こしょう 適宜
  1. 豚ひき肉に塩こしょう、カレー粉を入れてよくこねる。
  2. すりおろしたにんにく、ケチャップ、しょう油を入れてさらにこねる。
  3. ゴボウはささがきにして洗ったらざるにあげ、ペーパーで水気をふき取る。(忙しい時は市販でも笑)
  4. ひき肉ダネを10等分し、お寿司のシャリくらいの小さな俵型にまとめる。
  5. 握りながら周りにささがきゴボウをつけ、少し(5分位で十分)落ちつかせておく。
  6. フライパンにサラダ油を入れ、タネを入れて焼く。(最初中強火で表面を焼き固めて、少し火を弱めて焼くとゴボウが外れにくい。小さいのでスグ中まで火が通るので安心して。
  7. 軽く油を切って盛り付け、ソースの材料を合わせて添える。

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※ヨーグルトソースのハーブは、今回はバジルが安く出る時にいつも作っている冷凍のバジルペーストを混ぜただけ。お好みで小ねぎやシソ、アラブ風にミントでも。

 

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たからもの【鯛と沢庵の混ぜ寿司】

子供の頃、沢庵の細巻きが大好きだった。

 

しょっぱくて、パリッとした沢庵と、酢飯の爽やかな味。良い香りの海苔の、歯切れの良さ。

 

胡瓜やかんぴょうは放っといて、沢庵巻きばっかり食べて怒られたっけ笑。

 

でも自分では作ったことがなく。

 

理由は沢庵。

 

甘くない、糠のかおりの沢庵は、現代の都会では贅沢品。目にすることすら少なくて。

 

そんな冬、以前住んでいた下町の美味しいモノ師匠のお姉さんから、1本頂いて。

 

お酒もお魚もお野菜も、いつもとびきり美味しいモノを教えてくださるお姉さん。

 

勿体無くて細巻きにはできなかったけど笑、宝物のようにチビチビ食べて、少しだけ大事に取って冬を越させました。

 

…木の芽を待ちたくて。

 

酢飯に刻んだ沢庵とゴマ、木の芽を混ぜ、軽く昆布締めにしておいたお刺身の鯛を散らします。木の芽がニガテな方は紫蘇でも。

 

塩気の薄い現代風の沢庵の場合、もっとたくさん入れて大丈夫。その時は酢飯にも塩を効かせます。

 

「おつゆ」はカンタンに若竹汁。

春やなぁ…笑。

 

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〜鯛と沢庵の混ぜ寿司(2〜3人分)〜

  • 酢飯 1合(寿司のえ(具)がしょっばいので寿司酢は甘めに。ウチは自家製の梅酢に塩を少し加えて使いますが、家で作る時は米酢大さじ4、砂糖大さじ2、塩小さじ1弱を基準にお好みで)
  • 鯛のお刺身 1〜2人分
  • 沢庵 5センチ分くらい
  • 白ゴマ 大さじ2
  • 木の芽 適宜
  1. 鯛のお刺身は酢(分量外)で拭いた昆布で挟んでラップに包み、輪ゴムで留めて冷蔵庫に入れ、1〜2時間置いて締める。
  2. 沢庵は薄切りにしてから細切りにする。
  3. 木の芽は叩いて香りを出し、香りが強いのが好みの方は一部刻んでおく。
  4. 鯛の昆布締めは昆布を外して食べ良い大きさに切る。
  5. 酢飯に沢庵、いりごま、木の芽、鯛を混ぜ、盛り付ける。

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※今日は鯛を軽く締めていますが、半日ほどじっくり締め、少し醤油を垂らしたものを使っても味わい深いです。

 

 

 

 

手のひら【水餃子2種】

突然ですが、大人は手のひらを返します。

 

選挙の話じゃなく笑。

 

高校生の時の国際交流イベント。

私はモンゴルからきた画家の趙さんとTシャツづくり。

 

慣れないシルクスクリーンだったけど、趙さんの下宿で、1日がかりでようやく完成。

 

その時趙さんが一言。

 「さあ、餃子を作りましょう!」

 

餃子! 

グルメブームのずいぶん前笑。

本場の餃子なんて見たこともなく。

 

もう夕方だったけど、どうやら私のために、前もって材料を用意してくれていた趙さん。

 

…ニラと卵と豚肉の餃子を作りながら、いろんな話をして下さった。

 

中国では餃子にニンニクを入れず、薬味として齧りながら食べること。

春は柔らかいニラで作るけれど、季節によって素材は変わること。

 

当時中国は、共働きが義務だったので、男性は結婚すると急に料理が上手くなること。

一家族で作る餃子で、弟さんとよくイタズラしたこと。

 

ちなみに、本来モンゴルでは麺棒を使う文化がないのだけれど、満州族の趙さんは、漢民族の麺棒が使えるのだそう。

 

実は趙さん、満州の王族だったお祖父様が、戦争を嫌い、画家となってモンゴルに逃れたのが家業のルーツとか。

 

暖かいご家族のお話や、広い中国の歴史まで。

…行ったこともない、近くて遠い国の話。

 

もちろん、美味しい餃子にお腹も大満足。

食べきれなかった分はお土産に。

 

ただ、すっかり遅くなり、親は当然大激怒。

謎の中国人(笑!)の家で餃子なんて!と車中で大説教。

 

でも家でお土産の餃子を茹でた瞬間。

 

…初めて見ました。

大人の手のひらが返るとこ笑。

クルッと。パッと。

 

趙さんは一気に大ヒーロー笑。

以来水餃子は家族の好物になりました。

 

思い出すと、魔法の様に生地を伸ばす趙さんの手。大学で留学生の友達が教えてくれた、手をパクっと閉じる包み方。

 

叶わないモノはたくさんあるけど。

餃子の味は手のひらの味。

 

ちょっとずつ変えながら、自分の味にして行こう。

 

今日は作りやすい分量で、皮もあんも30個分ずつに書いていますが、中身は半分ずつ変えても。趙さんのニラ餃子はニラ多めなので、お肉感が好きな人はニラを減らしてもok。

 

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〜水餃子2種(約30個分)〜

<皮(約30個分)>

  • 小麦粉 100グラム(どの種類でも。薄く伸ばしたい人は中力や強力などグルテン分の多いものがよいかも)
  • 水 50cc
  1. 小麦粉に水を入れ、よく練ってラップに包み、少し寝かしておく。
  2. 2.5センチ直径位の棒状にのばし、端から包丁で7ミリ幅くらいに切っていく。
  3. 麺棒で伸ばし、包む。

※趙さんのつつみ方は真ん中、左、右の3点を押さえる簡単なもの(下図)。水餃子の時は、余りひだを寄せ過ぎない方が良いみたい。生の皮はどんな形にも伸びるので、丸くならなくても全然OK! 

左:皮の真ん中に餡をおいて→真ん中(赤丸)をとじ→左と右でひだを寄せる。

(真ん中と左上の図は上から見たところ。左下は横から見たところ)

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<趙さんのニラあん(約30個分)>

  • ひき肉 150グラム
  • ニラ 3分の2束〜1束(お好みで)
  • 卵 1個
  • サラダ油 大さじ1
  • 醤油 大さじ1
  • 味噌 小さじ1
  • 酒 小さじ1 
  • ごま油 大さじ1
  • 塩こしょう
  • (私は入れませんが、お好みで無添加スープの素を小さじ半分くらい入れても)
  1. 卵は溶いて、サラダ油大さじ1をひいて高温に熱したフライパンでざっと焼く。
  2. ひき肉に卵、調味料を入れて箸で混ぜる。
  3. にらを刻んであんに混ぜ、よく混ざったら皮で包んで茹でる。

<豚とセロリのあん(約30個分)>

  • 豚ひき肉(できれば粗挽き) 180グラム
  • セロリ(柔らかいもの。上の方を葉ごと) 3分の1本
  • 味噌(できれば赤みそ) 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 醤油 小さじ1
  • 五香粉 小さじ3分の1
  • 塩こしょう 適宜
  1. セロリは葉っぱごとあらみじんに刻む。
  2. 肉に調味料を入れてよく練り、セロリを加えてよく混ぜる。(趙さんのにら餃子は、それほど肉の食感を出したくないので、あまり練っていませんが、こちらはシンプルに肉の味を楽しみたいのでよく練ります。)
  3. 皮に包んで茹でる。(写真はたまたまスープがあったのでそれで茹で、特価のプチベール(開いた芽キャベツみたいなの)を入れたもの)

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※餃子もラビオリも、作った瞬間に金属のバットに入れて、冷凍するとかなり長く楽しめます。