虫やしない【あぶたま炒め】
タッタッ タッタッタッタ…
路地を駆けてくるちいさな足音。
厨房では大将と女将さんの仕込みの匂い。
だしの香り、小葱を刻む音。
赤いランドセルをしょった子が帰ってくる。
「はよ手洗うてきい」
女将さんがパパッとフライパンを取り出して、油揚げと卵を炒める。
コンガリお揚げにフンワリ卵。
大人も子供も大好きあぶたまの出来上がり。
夏なら万願寺さんを入れても。
お父さんは一味を振ってビールのアテに。
子供はオヤツに。
「虫やしない」はオヤツのこと。
お腹の虫を黙らせる、ちっちゃなご飯。
甘〜いオヤツも美味しいけれど、たまにはこんなのも。
写真は万願寺さんを入れたもの。
お揚げはたまたま余ったのを入れた笑ので細切りになってますが、大きめに切った方が美味しいです。
ーあぶたま炒め(2人分)ー
- 卵1個
- 薄揚げ 1枚
- 万願寺唐辛子 2〜3本くらい
- サラダ油 大さじ1
- 酒 大さじ1
- しょう油 大さじ1弱
- 塩 少々
- 薄揚げは大きめの一口大に切る(油抜きはしてもしなくてもよい)。
- 卵は溶いておく。
- 万願寺唐辛子はヘタの柄を落し、斜め半分くらいに切る。
- フライパンに油を敷き、油揚げを焼き始める。
- 油揚げが温まってきたら、万願寺唐辛子を加え、塩、酒を振って炒める。
- 油揚げがこんがりし、万願寺に火が通ったら、端に寄せて火を強め(一旦取り出してもよい)、卵を入れてふんわりさせ、7部通り火が通ったくらいで他の具とざっと炒め合わせる。
- 最後に鍋肌からしょうゆを回しかけ、じゅっと言わせて軽く混ぜて仕上げる。
※卵を入れたらあまり混ぜすぎず、強火でふんわりさせること。少し油を足してもよい。