出会い【サワラの白子と豆腐の炊き合わせ】
「一目会ったその日から…」
名調子のテレビ番組、ありましたよねぇ。
カーテン越しに出会った2人が結ばれるかどうか。今と較べれば出会い番組と言ってもほのぼのな感じ笑。
春のスーパーにも出会いがいっぱい。
ご近所のスーパーさんは、たまに普段は仕入れないものを売っていて。
岡山県産の新鮮なサワラの切り身の奥に、ピカピカの真子一腹と白子三腹。
こういう時、行っちゃうんです笑。
この時季だけの、出会いの方に。
立派な白子は下処理したら、三分の一は、味見を兼ねて天ぷらに。
濃厚。
残りは明日も楽しみたいので、豆腐と炊き合わせました。熱々も良いけど、冷たく冷やしたのも良いんです。
塩が入りやすいので、煮えばなを頂くときは冷ます時よりやや薄味で。
魚の春も頂きましょう。
〜サワラの白子と豆腐の炊き合わせ(2人分)〜
- サワラの白子 半腹〜3分の2腹くらい
- 下処理用 酒、塩 適宜
- 水 1カップ
- 昆布 3センチ角
- 酒 2分の1カップ
- 薄口醤油 大さじ2
- 木綿豆腐 半丁
- 鍋に湯を沸かし、酒、塩を加えてサワラの白子を入れ、1〜2分茹でたら氷水にとって冷やす。
- 別鍋に水カップ1、昆布を入れておく。
- 昆布の鍋を火にかけ、沸騰してきたら、酒、醤油を加える。
- 白子は(気になれば目立つ筋などを取り)、一口大に切って鍋に加え、5分ほど煮る。
- 豆腐を食べ良い大きさに切って入れ、7〜8分煮る(煮汁はかぶるくらいが良いが、少なければアルミホイルなどで落し蓋を作って)。
- 火を止め、あればふきの湯がいたものなどを加えて、味を含ませる。
つまみ食い用の天ぷら笑。下処理したものを揚げます。
夏まだき【葉玉ねぎとカブのミルク煮】
アッという間に桜も過ぎて。
ただ今年は初夏らしく。
陽射しは強いけど、爽やかな空気。
でも、夜は少し肌寒いくらい。
昼はそろそろ冷たいものを飲み過ぎたりして。
こんな日は、春野菜の優しいシチュー。
トロミも軽めで。
チョット手間ですが、旬のあさりの出汁で贅沢に。
神経質にこだわっている訳ではありませんが、たまにはスープの素に頼らない、自然の旨味を。
お腹も心もあったかく。
〜葉玉ねぎとカブのミルク煮(2〜3人分)〜
- 葉玉ねぎ 1個
- カブ 1〜2個
- あさり 1パック
- ベーコン 30グラム
- 酒 100cc
- 水 400cc
- 塩こしょう 適宜
- バター 大さじ1
- 小麦粉 大さじ1
- 牛乳100cc
- 生鮭 (切り身なら2切れくらい。切り落としでも)
- 塩こしょう、小麦粉、サラダ油 適宜
- 砂出しをしたあさり、酒、水を鍋に入れて火にかけ、口が開いたら火を止めておく。
- 鮭は一口大に切り、塩こしょう、小麦粉適宜をまぶし、サラダ油で表面を焼き、取り出しておく。
- カブ、葉玉ねぎの玉の部分は大きめのくし形に切り、葉玉ねぎの葉の部分は斜めに切っておく。
- 鍋にバターを溶かし、ベーコンを入れ、弱火で炒める。
- カブ、玉ねぎの玉の部分を加え、塩こしょうして中火で炒め、表面が少し透き通ったら小麦粉を振り入れ、焦げないように粉気が飛ぶまで炒める。
- あさりの煮汁を加えて、アクを取り、10分煮る。
- 葉玉ねぎ、カブに8分通り火が通ったら、あさりの身、葉玉ねぎの葉、鮭を加えて軽く煮立て、牛乳を入れて5分ほど煮る。
木の芽時【ホタルイカと木の芽の冷製ジェノベーゼ】
木の芽時。
本当は古来、3月、4月の季節の変わり目に、心身の調子を崩してしまうこと。
最近はそれを乗り越えても5月病、が待ってたりするのだけれど笑。
木の芽時の終わりにようやく顔を出す本当の木の芽。
ただ、本当に若く、柔らかいのはほんの一瞬。
葉をむしって、形の良いものはそのまま、残りはすり鉢で軽くすって冷凍に。
今ならカンタンにペーストになります。
さて、作業しながらサッとお昼ゴハン。
麺を茹でる以外は火をつかいません。
たっぷり入れても、意外に優しい香りとサッパリした味に癒されます。
- スパゲッティ(1.7mm) 160グラム
- 塩 適宜
- 湯 適宜
- ホタルイカ 1パック
- プチトマト 10個くらい
- 木の芽 たっぷりひとつかみ
<ドレッシングソース>
- オリーブオイル 大さじ2
- ワインビネガー 大さじ3〜4
- アンチョビ フィレなら2切れ、ペーストなら小さじ2
- にんにく 2分の1かけ
- 粒マスタード 小さじ1
- 塩こしょう
- にんにく、アンチョビはみじん切りにし、ドレッシングの材料を全てあわせる。
- 木の芽をすり鉢で軽くすり、ペースト状にする。プチトマトは半分に切り、ホタルイカ、木の芽とドレッシングと合わせ、冷やしておく。
- 鍋に湯を沸かし、塩を入れてスパゲッティを表示より1分長めに茹でる。
- 茹で上がったらザルにあげ、てばやく流水で滑りをとる。
- 水気を切り、マリネした具材、ソースと和えてだす。
今年の味【ぬか漬け】
若い頃から何度か漬けて来たけれど。
引越しの多い人生。
なんどもお別れして来ました。
ぬか漬け。
数ある国の漬物の中でも、建物や地球環境に最も影響されやすいのが、日本の漬物のように思います。
沢庵や白菜も、もともと塩やぬかのみ、といった単純な漬け床が多く、元来は通気性が良い、木や土でできた家に住んでいた私たち。
四季もはっきりとしていて。
人間のチカラより、自然のチカラをお借りして来たのですが…。
いつの間にか。
…掃除が面倒くさい。
虫や音、プライバシーがあるので、窓は極力開けたくない。etc.etc...笑
ウチらの欲には限りがなくて笑。
都合の悪い部分を遮断しまくっているうちに、恩恵も受けづらく。ぬか漬けも、なんだかスッカリ難しいものの様になってしまいました…
ぬか漬けに限らず、発酵食品は、うまく漬かっているものほど、多少のことでは傷んだりしません。
考えてみれば当たり前で。
保存食の菌は、当たり前の状態であれば自然界の悪さをする菌より強いから、人類が利用して来たわけで。
経験値による、ぬか漬け漬かり易い家ランキングはこちら笑。
1.古い戸建の日本家屋
2.古い広めの公団アパート
3.古い広めのマンション
4.そこそこ古い笑木造アパート
5.新しい広めのマンション
6.新築のワンルームマンション
これ、植物の育ち易さとも、キレイに比例してました。
しばらく止めてたぬか漬けを、今年復活させたのは、知り合いの料理家の方に教えて頂いた味噌が、ことのほかうまくいっているから。
この家と発酵食品の相性はよさそうだと。
予想どおり、捨て漬けからすぐ、美味しく漬かり出しました。
先日知り合った素敵なマダムは、あえて毎年新しい床を仕込むのだそう。
何十年ものの複雑さも美味しいけれど、フレッシュな糠の香りとさわやかな若い乳酸菌の味も良いものです。
漬かり過ぎたら「かくや」に。
ご近所のバーのマスターは、ポテサラのアクセントにする上級者。
まだまだアレンジもあるのです笑。
〜ぬか床(漬かり易い量)〜
- ぬか 1.5kg
- 水 1.5リットル
- 塩 ぬかの13〜14%
- 昆布 5センチ角
- 唐辛子 1〜2本
- (あれば実山椒の塩漬け大さじ2〜3)
- 捨て漬け用野菜(キャベツ、にんじんなどお好みで。今年はウドの皮も入れました)
- ぬか(あれば新鮮な生ぬか)、塩、水、実山椒をよく混ぜ、漬ける容器に入れる。
- 唐辛子、昆布を差し込む。
- 捨て漬け用の野菜を入れ、毎日混ぜながら2日ほど経ったら取り出して、野菜を代える。(3日ずつ3回、など決める方もいますが、野菜の漬かり具合やぬか漬けらしい香りを基準に臨機応変に。今年は2回目の捨て漬けからもう美味しく漬かり出したので笑、すぐ一軍昇格にしました)
※かつお節やいりこを入れるご家庭もありますが、うちはあまり動物性のものを入れないレシピです。
タケノコ生活【わが家風たけのこ御膳】
「タケノコ生活」
この言葉がわかる人って、今どれくらいいるんだろう…
わたしたちの世代でも、歴史の話。
戦後の食糧難。
都市部に住む人たちが、わずかに手元に残った衣類を、まるでタケノコの皮を一枚一枚はぐように、食料と交換し、なんとかしのいだ。
想像を絶する、苦しい暮らし。
そんな時代は二度と来ませんように。
…ただ、いまは豊かな戦後の後の長い不況。
貧しさのカタチは見えなくなって。
激安、爆盛、こだわり、グルメ…
食べ方、働き方、暮らし方。
身の丈、身の程を知ること自体が難しくなった。
…さて、スーパーのタケノコを見ながら、珍しくそんなコトを考えていると。
いつもお世話になっている素敵な女性から、身の程越えの贈り物。
京都のタケノコ。
掘り立て、皮付き。
立派笑。
学生時代はとても手が出ず。
錦の八百屋さんが、鍬傷が入ったものやおチビさんのを上手に茹でで、一斗缶で売られていたお徳用専門笑。
それでも充分美味しかったけど笑。
せっかくの口果報。
貧乏性かもしれませんが笑、下茹でしたら、根元から姫皮まで、幸せを噛み締めながら、大事に大事に頂きましょう。
〜わが家風たけのこ御膳 お品書き〜
たけのこご飯
穂先の二色揚げ
ホタルイカとたけのこの木の芽和え
姫皮の梅肉和え
鶏つくねと姫皮の沢煮風
たけのこの糠漬け
<たけのこご飯>
今回のたけのこは、とても柔らかく、香りも繊細だったので、大ぶりに切って、下味もつけず、他の具も入れずにそのまま炊き込みました。
- 米2合に対し、酒大さじ2、薄口醤油大さじ2.5、塩少々、昆布4センチ角くらいを入れて水加減する。
- 下茹でしたたけのこの根元の方を大きめの短冊に切って入れ、炊く。
※硬かったり、アクが強めのたけのこなら、小さく切って、しょう油と酒小さじ2ずつをあらかじめまぶしておく。(その分ご飯の水加減、味付けは控えめに)油揚げなどを入れてもよい。
<穂先の二色揚げ>
- 下茹でしたたけのこの穂先は8等分にし、半分に粉がつお大さじ1、しょう油小さじ1をまぶしておく。
- 天ぷらの衣をつけて、中温でカラッと揚げる。
<ホタルイカとたけのこの木の芽和え>
- 酢味噌(白味噌、みりん、酢。酢は省いてもよい)大さじ2くらいに木の芽を一つまみ加え、すり鉢でする。
- ボイルしたホタルイカと茹ででスライスしたたけのこを木の芽味噌で和える。たけのこが水っぽいようなら、しょう油洗い(しょう油小さじ1程度をまぶして、余分な水分をふきとる)してから和える。
※今日の木の芽は飛び切り新鮮。ビックリするほど爽やかに!
<姫皮の梅肉和え>
- 梅干しの果肉を潰し、甘くないものなら砂糖一つまみと酒でのばす。(市販の梅肉ペーストならそのまま)
- 姫皮を短冊に切り、梅肉で和える。
※イカを入れたり、居酒屋さんの定番、梅水晶で和えても。
<鶏つくねと姫皮の沢煮風>
- 鍋に水、昆布を入れて火にかけ、沸騰したら、酒、しょう油で味付けし、各家のレシピのつくね(今日は鶏ひき肉(モモ)100グラムに塩こしょう適宜、ゴマ小さじ1、酒、しょう油各小さじ1、パン粉一つまみをよく混ぜたもの)を落とす。
- つくねに火が通ったら繊切りの姫皮、ネギを散らす。
※沢煮は繊切りにした野菜と豚肉などの汁椀。今日はつくねの味を濃いめに引き出したいので、出汁に味付けしてからつくねを入れています。
<たけのこの糠漬け>
茹でたたけのこは薄く輪切りに切って、食べる30〜1時間くらい前に糠床に漬けておく。
糠を洗い、食べよい大きさに切って出す。
※下茹でしてある筍なら、すぐに漬かります。浅漬けくらいが美味しいかも。
心はニシキ【鶏ハムとオレンジのサラダ】
新年度が始まって、少し落ちついて。
お花見もひと段落。
先輩に連れられた新入生や新入社員。
会社の近くのランチも今は混雑。
で、我々先輩も新入社員諸君も…
実は懐がチョット寂しい、4月の給料日前笑。
GWもありますからね。
さて、そんな時のつよーい味方。
鶏胸肉笑。
鶏ハムはもう定番カナ。
成形しなくてもできますが、気持ちだけでも少しオシャレに。
サラダやつけ麺、応用が利くように、塩と黒コショウだけで作っています。
サラダのドレッシングはノンオイル。
クルミのトロミでコクがでます。
家飲みのあまりのナッツで充分。
今日はレタスやセロリ、ハーブなど、有り合わせの野菜を乗っけていますが、オレンジと相性がいいうるいなんかでも春らしく、美味しくできます。
今日は冷蔵庫掃除で出てきたピンクペッパーを散らして、見た目だけでも贅沢に笑。
満員電車でシワになったスーツは、社会人の勲章。
心はニシキ、で行きましょう!
〜鶏ハムとオレンジのサラダ(2〜3人分)〜
<鶏ハム>
- 鶏胸肉 (250グラムくらいのもの)1枚
- 塩 適宜
- 粗挽き黒こしょう タップリ
<サラダ用野菜>
- ネーブルオレンジ 1個
- レタス、玉ねぎなど適宜
<ドレッシング>
- クルミ 大さじ1
- オレンジの汁 大さじ1〜2くらい
- 酢 大さじ1
- 粒マスタード 小さじ1
- にんにく 2分の1かけ
- 塩こしょう
- (あれば)アンチョビペースト 小さじ2分の1
- (お好みで)パセリなど好きなハーブ
<鶏ハム>
- 鶏胸肉は包丁で1センチ厚さくらいに厚みを切り開く。
- 塩と粗挽き黒こしょうをしっかり目にして巻き、ラップで包む(心配な人は二重に)。
- 鍋にタップリの湯を沸かし、沸騰したら火を止めて2を入れ、20分間ほど放置する。
- 湯から引き揚げたら粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしておく。
<サラダ>
- お好みのサラダ用の野菜、ハーブなどを洗っておく。
- オレンジはナイフで皮をむき、実を取り出す(3分の2個分くらい)。切るときに出た果汁と残りを軽く絞ってドレッシング用に大さじ1~2杯取っておく。
- クルミはすり鉢などでかるく潰し(道具何にもないよ〜の新入社員はナイロン袋に入れて瓶底でつぶしても)、オレンジの汁、酢、粒マスタード、すりおろしたにんにく、アンチョビペーストなどをよく混ぜ、塩こしょうで味付けを調える。(アンチョビペースト=刻んだアンチョビでもはあればとっても美味しくなるので入れてみて)
- ちぎった野菜、スライスした鶏ハム、オレンジなどを並べ、ドレッシングをかけていただく。
※醤油ラーメンをアレンジしてつけ麺風に。近所で売ってた茎ブロッコリーと。