ツンデレ【花ワサビとイカのぬた】
最初は取っつきにくいけれど、知り合ってみると甘えん坊、っていうのがツンデレ。
今回は…ツーンッッ!です笑。
忙しい忙しいと言いながら、つい出張ついでに土地の食材を探したり。
抜ける様な青空。
信州の春。
わさび屋さんの店先で、小さな白い花束が笑ってました…笑。
花ワサビの下処理を教えてくれたのは高校時代の下宿のおばさん。
一番シンプルな塩だけの味。
わさびの辛味は揮発性なので、爽やかな辛味を引き出すコツは、熱湯を注いだらキッチリ密閉すること。
最近のラップは140度位までは耐えられるので、私は水面に貼り付ける様にしています。
辛〜く仕上がったら、ぬたの酢味噌には辛子を入れず笑。
美味しいモノを見つけると、出張も旅になるのが不思議です。
〜花ワサビとイカのぬた(2人分)〜
- イカ(ゲソでもお刺身用の紋甲イカなどでも) 30グラムくらい
- 花ワサビの塩びたし お好きな量
- 酢味噌(白味噌大さじ1、酢大さじ1、みりん小さじ2、砂糖大さじ1を合わせたもの)
- 熱湯 適宜
- イカは食べよい大きさに切り、熱湯でさっと霜降りにし、水気を拭いて冷やしておく。(紋甲イカなどなら隠し包丁を入れて)
- 花ワサビの塩びたしは少し汁を切り、イカと合う大きさに切る。
- イカと花ワサビを和えて、酢味噌をかける。
<花ワサビの塩びたし>
- 花ワサビ 1束
- 塩、熱湯 適宜
- 大き目のボール(ステンレスか耐熱)を用意する。
- 湯を沸かしておく。
- 花ワサビはザッと洗って水を切り、ボールに入れて全体に薄くまぶさる程度の塩を振り、軽くもむ。
- 熱湯を花ワサビがかぶるくらい注いだら、ラップを水面ぴったりに貼り、空気が入らない様にする。
- そのまま一晩冷まし、ジップロックなどで漬け汁から花ワサビが出ない様にして冷蔵庫て保存する。
ラップはピタッと^_^。
できあがり。ツーンッッ!笑
狩漁本能笑【あさりとうどの生海苔汁】
貝続きですが笑。
憧れがありまして…。
潮干狩り。
やってみたいんですよねぇ。
…こう、なんか小っちゃい熊手みたいなので砂を掻くと、取れるんでしょう?
大貝、小貝がザクザクと。(?なんかカン違い笑⁉︎)
冗談はさておき笑。
昔から好きなんです。
収穫系。
芋掘りにいちご狩り、落花生掘り…
山の子供の頃はもちろん、山菜にきのこ。
本能、なんでしょうか…。
先日久しぶりに江ノ島に。
海の香りをいっぱいに吸い込んで。
釣り人もまぶしく。
最近は資源保護の観点から休止になっているところも出てきているようですが。
スーパーで見かけた生海苔。
漁師さんに頂いたのには敵わないけど、せめて磯の香りだけでも。
薬味はうどで香り高く。
もちろんネギでも美味しく頂けます。
〜あさりとうどの生海苔汁(4人分)〜
- 水 3カップくらい
- 昆布 5センチ角
- あさり(蛤でも可) 1パック
- 酒 50cc
- 生海苔(洗って) お好きな量
- うど 10センチ分くらい
- 薄口醤油 大さじ1.5杯
- 塩 適宜
- あさりは塩抜きし、昆布は鍋で分量の水に浸けておく。
- うどは5センチ長さに切り、皮を剥いて薄い短冊に切って軽く水にさらす。
- 昆布と水の鍋にあさりを入れ、火にかける。
- 沸騰し貝が開いてきたら酒を加え、アクをすくい、薄口醤油、塩を加える。
- 生海苔、うどを加えてサッと煮たてる。(味見して薄ければ塩で調える)
※うどの穂先は天ぷら、皮はきんぴらなどに。
別れと出会い【牡蠣と菜の花のザッと煮】
出ちゃいましたよ…。
とうとう…。
「今シーズンの牡蠣フライ終わりました」
商店街のトンカツ屋さん。
終わったか〜っっ…
時すでに遅し。
「走り」だ「旬」だに浮かれるクセに。
食べられなくなると聞くと、急に惜しくなるのが人情笑。
でもだから、「出会い」もある。
意外に好きなんですよね、引き継ぎって笑。
先輩から後輩へ。
逃げられたっっ‼︎もありつつ笑。
辛子和えもいいけど、名残の牡蠣の出汁の美味しさ。
キリッと冷やして、素麺や稲庭うどんをつけて食べてもオツです。
牡蠣の塩気にもよりますが、暖かくなると牡蠣は香りが気になったりもするので、塩分は効かせ目がオススメ。
送別会の二日酔いにも良いですよ〜
〜牡蠣と菜の花のザッと煮(4人分)〜
- 牡蠣 1パック
- 菜の花 1束
- 水 1カップ
- 昆布 5センチ角
- にんにく 2分の1かけ
- しょうが 2分の1かけ
- 鷹の爪 2分の1本分
- 酒 大さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- 塩 小さじ4分の1くらい
- 菜の花は下茹でしておく。
- 水に昆布を入れて、30分ほどおいておく。
- 昆布の鍋に、薄切りにしたにんにく、しょうが、鷹の爪を入れ、火にかける。
- 沸騰したら昆布を取り出し、洗った牡蠣、酒、塩を入れ、牡蠣がプクッとなり、火が通ったらいったん、取り出す。
- 鍋に薄口醤油を加え、軽く水気を絞ってザク切りにした菜の花を入れて煮る。
- 牡蠣を戻し、強火でザッと温めたら火を止め、盛り付ける。
※牡蠣を洗う時は、匂いが気になる方は大根おろしか片栗粉でしっかり洗って。生食用を使われる方や、それほど気にならない方は塩水で充分です。
※菜の花は買って来たら固めに塩茹でして水に取り、冷蔵庫で保存しますが、最初にしっかり流水で冷ましたら、神経質に水を替えすぎない方が、アクの働きで腐りにくく、香りも抜けにくいようです。
※より辛口に、くさみを抑えたい方は、お酒の代わりに麦や米の焼酎にして、香味野菜を増やしても。
宿題【黒にんじんとごぼうのオイル煮】
…昔から、宿題が苦手である。
正確に言えば、嫌いな宿題がニガテ。
計算ドリルとか漢字ドリル、まともに出せたことないんじゃないか。
理科とか社会のは、すぐ終わるのに。
でも、今ならワカル。
オトナになって必要なのは、むしろ計算ドリルや漢字ドリルをやり切るチカラ。
面倒くさい、とか言わないで。
コツコツと。
さて今日は楽しい宿題。
先日、昔アルバイトでお皿を洗わせてもらっていた野菜の美味しいイタリアンのお店に伺うと。
シェフからお土産が。
「ハイ宿題。」
見事な黒にんじん2本!!
ヤッタ!と同時に「うーん」。
だって、さっきのソテーの美味しかったこと。
シンプルにじっくりと焼いて、最低限の塩、オイル。
…模範解答、すでに出てますが…笑。
こういう時は、シンプルに限る。
塩味は生ハムから。
人参の皮の美しい色は、豊富なポリフェノールやアントシアニン。
アクセントにごぼうも入れて、ポリフェノールだらけ笑。
鍋に詰めて、蓋して、チョット置いたら火にかける。
コンフィという調理法。
甘〜い人参と香ばしいごぼう。
食材の香りがついたオイルはパンにつけても美味しく。
ちなみに、切り株を並べたこんな道路の舗装方法、シベリアの永久凍土や日本の明治時代に、あったとかなかったとか笑。
赤点でも満腹ならそれで良し笑。
提出終了〜
〜黒にんじんとごぼうのオイル煮(4人分)〜
- 黒にんじん 2本
- ごぼう 2分の1本
- 生ハム(切れ端でよい) 30グラム
- 白ワイン 50cc
- バージンオリーブオイル 50cc
- サラダ油 100cc
- 塩こしょう 適宜
- ローリエ 1枚
- 黒にんじんは皮ごと1.2センチくらいの厚さの輪切りにする。
- ごぼうはよく洗って皮をこそげ、にんじんと同じ厚さの輪切りに切り揃えて、軽く水にさらしておく。
- 小さめの鍋(直径15〜6センチくらい)に白ワインを入れ、にんじんとごぼうを切り口が上になるように一列に敷き詰める。
- 野菜の上に軽く塩こしょうし、生ハムを一面に載せ、半分にちぎったローリエを載せる。
- もう一段同じように並べ、できれば30分から1時間程度放っておく。
- 鍋にオイルを注ぎ、蓋をして中〜弱火で25分ほどコトコト煮、火を止め、そのまま冷ます。
※オイルを入れて火にかける前に少し置くのは、野菜に生ハムの塩気や香りを移すため。できればやってみて。
※こちらが黒にんじん。
※火にかける前はこんな感じ。ちなみに私は頂きものの長径16センチのオバール形の鋳物鍋で作っています。
※ご近所の輸入食品店で売っている生ハムの切り落とし。298円笑。
未練【ふきのとう味噌】
もう一つだけ、ふきのとうの話。
東京に来たばかりの頃。
八百屋さんの店先でパックのふきのとうを見つけて、思わず匂いを嗅いだ。
「アッハッハ!おねえちゃん!パックの外から嗅いだって匂いなんかしないよ!」
おじさんの威勢の良い声。
その場では笑って合わせたけれど…
違うんだ、おっちゃん。
するんだ、匂い。
摘みたての、野生のは。
ラップなんて、モノともしない。
なんとなく寂しくなって、未練がましくそのパックを買って帰ってしまった笑。
都会のふきのとうは香りが薄い。
けど、その代わり、食べづらいアクも少ない。
刻んで、ふきのとう味噌を作るようになったのはその時から。
サッと水にさらし、軽く炒めて味噌と練ります。
味噌にしておけば長期間、香りが楽しめるのも嬉しいところ。
そのまま晩酌も良し。ご飯のお供にも良し。
小さめのニジマスのお腹に詰めて、小麦粉をはたいてムニエルにすると、これまた香ばしく。
使うお味噌の種類や、ふきのとうのアクをどれくらい活かすかで、全く違う味わいに。ちょっと開いちゃったのでも大丈夫です。
お好みの味を見つけて下さい。
都会で田舎を想うのも、冬に春を想うのも、ないものねだりの未練の気持ち笑。
でもイイじゃん。
春のよすがに。
〜ふきのとう味噌(約180グラム分)〜
- ふきのとう 80グラム
- にんにく 1かけ
- くるみ 30グラム
- サラダ油 大さじ2
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ3
- 砂糖 大さじ2
- にんにくはみじん切りにしておく。
- ふきのとうは大きければ縦4つ割り、小さければ2つ割りにし、小口から刻んで水にさらしておく。(アクが強ければ何回か水を替える)
- にんにく、サラダ油を鍋に入れて火にかける。
- にんにくの香りが出て来たら、ふきのとうを加えて炒める。
- 酒、みりん、味噌、砂糖を加えて中弱火で練る。
- よく混ざり、ツヤが出て来たらくるみを加え、水分が飛んでほど良い固さになるまで練り混ぜる。
- 粗熱が取れたらビンや密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存する。
※都会のスーパーで売っているものはツンとした香りやコクに欠けるので、にんにくやくるみを補っていますが、もちろんなくても大丈夫です。
早春賦【ふきのとうの天ぷら】
もうすっかり春、のicheです。
(脳内が常に…のご指摘もありますが笑)
ふきのとう。
せっかく親が田舎に家を買っても、うちの祖母は街育ち。実は山菜の扱いなんかはあまり知らなくて。
同級生のお家で教えてもらう事もしばしばでした。
そんな中、ウチの定番になったのがこの天ぷら。
いつもそれほど遊んだことのないお友達と遊んで帰った時のこと。その場のノリで、みんなと同じようにふきのとうを摘んできたものの、食べ方がわからないので、微妙な顔の私。
…察した優しいお友達のお母さんが、教えてくれました。
「おうちに帰ったら、この外側の葉っぱみたいなんを開いて、中のお花の所に味噌をなすって、また閉じて天ぷらにすると美味しいげんよ」
…もう記憶も朧げで、もしかして他の子にも教えてもらったかもだけど。
調理法はしっかり伝わりました笑。
塩も、天つゆも要りません。
(なんだか最近そんなことばっかり言ってますが…笑)
…昔は子供たちも色んなことを知っていて。
蜜のある花の種類、すいかんぼ、カラスノエンドウの鳴らし方…etc.etc
どれも同級生博士たちには遠く及ばず。
みんな元気にしてるかなあ…
〜ふきのとうの天ぷら〜
- ふきのとう 好きな量
- 味噌 適宜
- 天ぷら粉(小麦粉でよし) 適宜
- 水 適宜
- サラダ油 適宜
- ふきのとうはきれいに掃除し、外側のがくをめくって中に味噌をチョットつける。
- がくを閉じ、衣をつけて揚げる。
※味噌は塩気がしっかりある辛めの方が美味しいようです。
ランデブー【鯛と芹の梅春巻き】
今日は春のお話。
謡曲に胡蝶というのがあって。
カンタンに言うと…。
全ての花と戯れて来た蝶の精が、唯一つ、会ったことの無い冬の花、梅に焦がれて会いに来ると言う筋書き。
…というと胡蝶まるでプレイボーイの様ですが笑。胡蝶の精であるシテは女性です。念のため。
けれども、旬の世界にも稀なる出会いはあるモノ。
鯛と芹、梅。
冬から春へ渡りゆく。
それだけ笑。
芹も鯛も余計な下処理はせず、生のまま包みます。
…実は、他の白身魚や香味野菜でも試したんです。
それなりには美味しい。
でも、鯛と芹以上の組み合わせはなく。
これぞマリアージュ。
出会いのチカラ、頂きましょう。
ー鯛と芹の梅春巻き(3〜4本分)ー
- 鯛の切り身 1切れ
- 下味用調味料(梅干し中1個を叩き、酒大さじ1杯半、薄口醤油小さじ1を合わせたもの) 3分の1くらい
- 芹 4〜5分の1束
- 春巻きの皮 3〜4枚
- 小麦粉の糊(小麦粉と水を同量くらいで合わせたもの) 適宜
- サラダ油 適宜
- 鯛は小骨だけ抜き、皮ごと10〜12センチくらいの棒状に切り(普通の切り身で3〜4本取れるくらい)、下味をまぶす。
- 芹は洗って、鯛と同じくらいの長さに切る。
- 春巻きの皮に鯛、芹(葉先と茎をバランス良く)を載せて巻き、終わりを小麦粉の糊で止める。
- 中〜弱火で、泡が収まり、皮がパリッとするまで揚げる。
※鯛は何本か棒状の身を取ったら、残りは切れ端を合わせて使ってもよい。
※梅干しはなるべく甘味などのついていない、プレーンなものを。
※そのままで十分だが、好みで塩や割り醤油(醤油を出汁または水で割ったもの)を添えても。